夏休みの課題などで人権作文を書くことになり、
「最初の一文が思いつかない」
「人権について特別な体験がない」
「いじめや差別について、何から書けばよい?」
と悩む中学生は少なくありません。
人権作文では、難しい言葉を並べる必要はありません。
学校生活や家庭、インターネット、地域での出来事など、身近な場面で感じた疑問や気持ちから始めると、自分らしい作文になります。
たとえば、
「何気なく言った一言が、相手を傷つけていたかもしれない」
「自分と違うというだけで、なぜ避けられてしまうのだろう」
といった小さな気づきも、立派な人権作文のテーマです。
この記事では、いじめ・差別・思いやり・障害・外国人・高齢者・インターネットなど、テーマ別に使える人権作文の書き出し例をご紹介します。
例文は、そのまま提出するためのものではありません。自分の体験や考えに合わせて、言葉を変えながら使ってください。
🌸 迷ったらこの書き出し
何を書けばよいか決まっていないときは、身近な出来事から始める方法が使いやすいでしょう。
「私はこれまで、『人権』という言葉をどこか難しいものだと思っていました。しかし、学校で起きたある出来事をきっかけに、人権は私たちの日常と深く関わっていることに気づきました。」
この後に、
- どのような出来事があったか
- そのとき自分はどう感じたか
- 今はどのように考えているか
を書けば、作文を自然に続けられます。
人権作文の書き出しを考える3つの方法
身近な出来事から始める
人権作文では、大きな社会問題だけを扱う必要はありません。
- 友達が一人でいた
- 誰かがあだ名でからかわれていた
- SNSで悪口を見た
- 高齢の人に席を譲れなかった
- 外国から来た人が言葉に困っていた
このような身近な出来事から、自分が感じたことを書き始められます。
疑問から始める
読み手に問いかける形で始めると、テーマが伝わりやすくなります。
「人と違うことは、いけないことなのでしょうか。」
「冗談なら、相手を傷つけても許されるのでしょうか。」
この後に、自分がその疑問を持ったきっかけを書きます。
自分の気持ちから始める
後悔や驚き、うれしさなど、強く感じた気持ちから始める方法もあります。
「私はあのとき、声をかけられなかったことを今でも後悔しています。」
「たった一言で、人の表情が明るくなることを初めて知りました。」
気持ちの理由を説明すると、続きを書きやすくなります。
人権作文の書き出し例30選
いじめをテーマにした書き出し
例文1|見て見ぬふりをした経験
私は以前、クラスメートがからかわれている場面を見たことがあります。
よくないことだと思いながらも、私は何も言えませんでした。
あのときの自分の行動を思い出すたびに、「黙っていることは、本当に何もしなかったことになるのだろうか」と考えます。
例文2|冗談について考える
「冗談だった」という言葉で、相手を傷つけたことまで許されるのでしょうか。
私は友達同士の会話をきっかけに、言った側と受け取った側では、言葉の重さが違うことに気づきました。
例文3|一人でいる人を見た経験
休み時間、いつも一人で過ごしている人がいました。
私はそのことに気づいていましたが、声をかける勇気がありませんでした。
その経験から、誰かを仲間外れにする行動だけでなく、気づいていながら何もしないことについても考えるようになりました。
例文4|自分が傷ついた経験
私は以前、友達に言われた一言が忘れられず、学校へ行くのがつらくなったことがあります。
言った本人に悪気はなかったのかもしれません。
しかし、その経験から、言葉は目に見えなくても人を深く傷つけることがあると知りました。
例文5|周囲の笑いについて
誰かがからかわれたとき、周りの人が笑うことで、その言葉はさらに強く相手を傷つけます。
私は教室でのある出来事を通して、直接悪口を言わなくても、周囲の態度がいじめを大きくすることがあると感じました。
差別や偏見をテーマにした書き出し
例文6|違いについて考える
人と違うことは、悪いことなのでしょうか。
性格や外見、育った環境が違うのは当たり前なのに、その違いがからかいや差別につながることがあります。
私はそのことを、身近な出来事から考えるようになりました。
例文7|決めつけに気づいた経験
私は、相手のことをよく知らないまま、「きっとこういう人だ」と決めつけていたことがあります。
実際に話してみると、その印象が間違っていたことに気づきました。
この経験から、思い込みや偏見について考えました。
例文8|外見への言葉
背の高さ、体形、髪形、肌の色など、外見について何気なく言われた言葉で傷つく人がいます。
私は、見た目を話題にすることが、相手にどのような気持ちを与えるのか考えるようになりました。
例文9|多数派と少数派
多くの人と同じであることが、いつも正しいとは限りません。
周りと違う意見を言った人が笑われている場面を見て、私は「みんなと違う」という理由だけで否定することの怖さを感じました。
例文10|知らないことから生まれる偏見
差別や偏見は、相手のことをよく知らないことから生まれる場合があります。
私はある授業をきっかけに、知らないまま避けるのではなく、知ろうとすることが大切だと考えるようになりました。
思いやりをテーマにした書き出し
例文11|声をかけてもらった経験
私が落ち込んでいたとき、友達が「大丈夫?」と声をかけてくれました。
短い一言でしたが、その言葉に私は救われました。
この経験から、思いやりは特別な行動ではなく、身近な一言から始まるのだと気づきました。
例文12|席を譲る場面
電車の中で、高齢の方に自然に席を譲る人を見たことがあります。
その行動を見て、私は思いやりとは、相手に言われる前に困っていることを想像することなのではないかと思いました。
例文13|相手の立場を考える
自分にとっては何でもないことでも、相手にとってはつらいことがあります。
私は友達とのすれ違いを通して、自分の考えだけでなく、相手の立場から考えることの大切さを学びました。
例文14|小さな親切
人権を守るというと、私は以前、大きな行動が必要だと思っていました。
しかし、困っている人に声をかけることや、相手の話を最後まで聞くことも、人を大切にする行動だと気づきました。
例文15|言葉の選び方
同じ内容を伝える場合でも、言葉の選び方によって相手の受け取り方は変わります。
私は家族との会話をきっかけに、思いやりのある言葉について考えるようになりました。
障害のある人との関わりをテーマにした書き出し
例文16|手助けを迷った経験
駅で白い杖を持った人を見かけたとき、私は声をかけるべきか迷いました。
困っているかもしれないと思いながら、余計なお世話になるのではないかと考え、何もできませんでした。
その経験から、相手を尊重した手助けの方法について考えました。
例文17|できないと決めつけること
障害があるという理由だけで、「これはできないだろう」と周囲が決めつけてしまうことがあります。
私はある人の話を知り、必要なのは一方的な同情ではなく、その人の希望を聞くことだと感じました。
例文18|身近な設備から考える
町の中には、点字ブロックやスロープ、多目的トイレなどがあります。
私は以前、それらを深く考えたことがありませんでした。
しかし、誰もが生活しやすい環境について学び、設備があるだけでは十分ではないことに気づきました。
例文19|同じ扱いと必要な配慮
全員を同じように扱うことが、必ずしも公平とは限りません。
その人に必要な配慮をすることも、一人ひとりを大切にすることだと私は考えます。
例文20|特別扱いという言葉
配慮を受ける人に対して、「特別扱いだ」という声を聞くことがあります。
しかし、本当に同じスタート地点に立つために必要な支援とは何か、私は考えてみたいと思いました。
外国人や文化の違いをテーマにした書き出し
例文21|言葉が通じない相手との経験
町で外国から来た人に道を尋ねられたことがあります。
うまく言葉が通じず戸惑いましたが、身ぶりや地図を使うことで、少しだけ助けることができました。
この経験から、言葉や文化が違っても、相手を理解しようとする気持ちは伝わるのだと感じました。
例文22|名前や話し方をからかうこと
外国にルーツを持つ人の名前や話し方をまねして笑う場面を見たことがあります。
その場では軽い冗談のように見えても、本人にとっては大切な名前や文化を否定されたように感じるかもしれません。
例文23|文化の違い
自分にとって当たり前の習慣が、ほかの国や地域でも同じとは限りません。
違いを間違いと考えるのではなく、「なぜ違うのだろう」と知ろうとすることが大切だと思います。
例文24|日本語が分からない人への配慮
災害や病気などの緊急時、日本語が十分に分からない人は、必要な情報を得られないことがあります。
私は、誰にでも分かりやすく情報を伝えることも、人権を守るために必要だと考えました。
高齢者をテーマにした書き出し
例文25|祖父母との会話
私は祖父母と話す中で、年齢を重ねることで生活の中にさまざまな不便が増えることを知りました。
それまで私は、高齢者の困り事をどこか他人事のように考えていました。
例文26|年齢による決めつけ
「高齢だから分からないだろう」「年を取っているからできないだろう」と決めつけることも、相手の気持ちや能力を無視することになります。
私は、年齢だけで人を判断しないことの大切さを考えました。
例文27|高齢者への話し方
高齢の人に対して、子どもに話すような言い方をする場面があります。
親切のつもりであっても、相手の自尊心を傷つける場合があることを知り、尊重する話し方について考えました。
インターネットやSNSをテーマにした書き出し
例文28|匿名の悪口
インターネットでは、名前を出さずに自分の意見を書くことができます。
しかし、匿名であれば何を書いてもよいのでしょうか。
SNSで誰かを傷つける投稿を見て、私は画面の向こうにも人がいることを忘れてはいけないと思いました。
例文29|写真の無断投稿
友達と撮った写真を、本人に確認せずSNSへ投稿している人がいました。
楽しそうな写真であっても、誰に見られるか分からない場所へ勝手に載せることには問題があります。
私はこの出来事から、プライバシーについて考えました。
例文30|言葉が残り続ける怖さ
口にした言葉はその場で消えても、インターネットに書いた言葉や画像は長く残ることがあります。
軽い気持ちで投稿した内容が、相手を長い間苦しめる可能性があると知り、SNSの使い方を見直したいと思いました。
書き出しから本文へつなげる方法
出来事を詳しく説明する
書き出しの後は、その出来事が起きた場所や状況を書きます。
その出来事があったのは、二学期の初めの休み時間でした。
私は家族と電車で出かけたとき、ある場面を目にしました。
いつ、どこで、誰が、何をしていたかを整理すると、読み手が状況を想像しやすくなります。
そのときの気持ちを書く
次に、自分が感じたことを書きます。
- 驚いた
- 悲しかった
- 腹が立った
- 声をかけられず後悔した
- 自分にも同じような経験があると思った
正解らしい気持ちを書くより、そのとき本当に感じたことを書く方が、自分らしい作文になります。
考えが変わったことを書く
体験を通して、自分の考えがどう変化したかを書きましょう。
以前の私は、いじめは直接悪口を言う人だけの問題だと思っていました。しかし、周囲で笑ったり、見て見ぬふりをしたりすることも、相手を追い詰める場合があると気づきました。
「以前はどう考えていたか」と「今はどう考えるか」を比べると、内容に深みが出ます。
人権作文を書き進めるための質問
書く内容が思いつかないときは、次の質問に答えてみましょう。
出来事を思い出す質問
- 学校で誰かが困っていた場面はあったか
- 誰かの言葉に傷ついたことはあるか
- 自分の言葉で相手を傷つけたことはないか
- 見て見ぬふりをして後悔したことはあるか
- 親切にされてうれしかった経験はあるか
考えを深める質問
- 自分が相手の立場ならどう感じるか
- 周りの人にできたことは何か
- なぜその問題が起きたのか
- これから自分は何を変えたいか
- 学校や地域でできることは何か
すべてに答える必要はありません。
一つか二つを選び、自分の経験と結び付けると書きやすくなります。
人権作文で避けたい書き出し
辞書の説明だけで始める
人権とは、人間が生まれながらに持っている権利のことです。
間違いではありませんが、そのまま説明が続くと、自分の体験や考えが伝わりにくくなります。
説明を使う場合も、
私は「人権」という言葉の意味を調べました。しかし、調べただけでは、本当の意味を理解できていなかったと思います。
のように、自分の考えへつなげるとよいでしょう。
大きすぎる話から始める
世界からすべての差別をなくさなければなりません。
立派な意見ですが、そのままでは内容が広すぎて、自分の経験を書きにくくなります。
まずは教室や家庭、地域など、身近な出来事から始めましょう。
実際に体験していないことを作る
作文を印象的にしようとして、経験していない出来事を書く必要はありません。
ニュースや本、授業で知ったことを書く場合は、
私はニュースでこの出来事を知りました。
授業で紹介された話を聞き、考えました。
と、きっかけを正直に書きましょう。
📋 テーマ別|書き出しの型早見表
| テーマ | 書き出しの型 |
|---|---|
| いじめ | 私は、クラスで起きたある出来事を今でも覚えています。 |
| 差別 | 人と違うことは、本当に悪いことなのでしょうか。 |
| 思いやり | たった一言に救われた経験があります。 |
| 言葉 | 何気ない言葉が、相手を深く傷つけることがあります。 |
| 障害 | 手助けしたいと思いながら、声をかけられなかったことがあります。 |
| 外国人 | 言葉や文化が違っても、分かり合うことはできるのでしょうか。 |
| 高齢者 | 私は祖父母との会話から、年齢による不便について考えました。 |
| SNS | 画面の向こうにいる人の気持ちを、私たちは忘れていないでしょうか。 |
| プライバシー | 友達の写真を、本人の許可なく投稿してもよいのでしょうか。 |
| 身近な気づき | 私は以前、人権を自分とは遠い問題だと思っていました。 |
❓ よくある質問
Q1. 人権作文は何について書けばよいですか?
いじめ、差別、思いやり、障害、外国人、高齢者、男女の違い、インターネット、プライバシーなどが主なテーマです。
身近な体験や、授業・ニュースを通して考えたことから選びましょう。
Q2. 特別な体験がなくても書けますか?
書けます。
友達との会話、教室で見た出来事、家族との生活、ニュースや本を読んで感じたことも作文の材料になります。
Q3. 「私は」で始めてもよいですか?
問題ありません。
作文では、自分の体験や考えを伝えるため、「私は」から始める文章が自然です。
Q4. 疑問文から始めてもよいですか?
使えます。
「冗談なら人を傷つけてもよいのでしょうか」のような問いから始めると、テーマが読み手に伝わりやすくなります。
Q5. 人権の意味を最初に説明した方がよいですか?
必ずしも必要ではありません。
説明を長く書くより、身近な出来事や自分の疑問から始めた方が、自分らしい作文になりやすいでしょう。
Q6. 書き出しは何文字くらいがよいですか?
決まりはありませんが、最初の一段落を100〜200字程度にすると、出来事やテーマを説明しやすくなります。
長くなりすぎる場合は、出来事の説明を次の段落へ分けましょう。
Q7. 例文をそのまま使ってもよいですか?
自分の体験や考えに合わせて書き換えましょう。
例文の言葉だけを変えるのではなく、実際に見たこと、感じたこと、これからしたいことを加えることが大切です。
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まとめ
人権作文の書き出しでは、難しい言葉を使うよりも、
「自分が見たこと」
「自分が言われたこと」
「そのとき感じた疑問や気持ち」
から始めるのがおすすめです。
書き出しに迷った場合は、
「私はこれまで、人権という言葉を自分とは遠いものだと思っていました。しかし、学校でのある出来事をきっかけに、その考えが変わりました。」
という形が使いやすいでしょう。
その後に、出来事の内容、自分の気持ち、考えがどう変わったかを書けば、作文を自然に進められます。
例文をそのまま写すのではなく、自分の経験や言葉に置き換え、自分にしか書けない人権作文に仕上げましょう。

