暑い夏も終盤に差し掛かり、ご高齢の方への体調を気遣うお便りを送りたいとお考えではありませんか。
高齢者の方は暑さによる体調変化を受けやすく、また手紙やハガキでのやり取りを大切にされる傾向があります。
この記事では、祖父母や年配の知人に自然で温かい気遣いが伝わる残暑見舞いの文例を、シーン別に12選ご紹介します。
残暑見舞いで押さえる3つのポイント
① 表現は丁寧に・親しみも忘れず
高齢者への残暑見舞いでは、敬語を基本としながらも堅すぎない親しみやすさが大切です。
「です・ます調」で統一し、相手との関係性に応じて適度な温かさを込めましょう。
年配の方は礼儀を重んじる一方で、心のこもった表現を喜ばれます。
② 健康・体調への気遣いが中心
残暑は体調を崩しやすい時期です。
「お体に気をつけて」「ご自愛ください」など、健康を気遣う言葉を自然に盛り込むことで、相手への思いやりが伝わります。
過度に心配させない程度の配慮が、かえって安心感を与えます。
③ 季節感と前向きな言葉で明るさを添える
「涼しい風が待ち遠しいですね」「秋の訪れが楽しみです」など、季節の変化に希望を込めた表現を使うと、読み手も明るい気持ちになります。
高齢者の方にとって季節の移ろいは大切な楽しみの一つです。
高齢者向け残暑見舞い文例12選
1. 離れて暮らす祖父母へ
使える場面:遠方に住む祖父母への定期的な安否確認として
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
まだまだ暑い日が続いておりますが、おじいちゃん、おばあちゃんはお元気でいらっしゃいますか。 こちらは家族みんな元気に過ごしております。
涼しくなったら、ぜひお会いしに伺わせていただきます。 お体を大切になさってください。
ひと言ポイント:家族の近況も含めることで、安心感を与えられます。孫からの便りは特別な喜びとなります。
実務例:ハガキで送付/電話の際に内容を伝える
2. 介護施設に入所中の親族へ
使える場面:施設で暮らす高齢の親族に、面会に行けない時期のお便りとして
文例:
残暑の候、いかがお過ごしでしょうか。
暑い日が続いていますが、涼しいお部屋でゆっくり休まれてくださいね。 スタッフの皆様にもよろしくお伝えください。
また元気なお顔を見に伺います。
ひと言ポイント:施設での生活に配慮し、職員への感謝も込めた表現です。面会制限がある時期にも温かい気持ちが伝わります。
実務例:ハガキで郵送/面会時に手渡し/施設スタッフ経由で朗読
3. お世話になった年配の恩師へ
使える場面:元上司や学校の先生など、以前お世話になった方への季節の挨拶
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いておりますが、先生にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。 おかげさまで、私も家族も元気に過ごしております。
まだしばらく暑さが続きそうですので、どうぞご自愛のほどお祈り申し上げます。
ひと言ポイント:敬語を丁寧に使い、感謝の気持ちを込めた格調高い文面です。長年の師弟関係を大切にする姿勢が伝わります。
実務例:縦書きハガキで郵送/お中元の代わりとして
4. 近所の高齢の知人へ
使える場面:日頃から顔を合わせる機会がある、近所にお住まいの年配の方に
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
毎日本当に暑いですね。○○さんはお変わりありませんか。 熱中症には十分お気をつけくださいね。
涼しくなったら、またお庭のお花を見せていただけるのを楽しみにしております。
ひと言ポイント:日常的な交流を踏まえた親しみやすい文面で、次の交流への期待も表現。ご近所付き合いが深まります。
実務例:ポストに投函/直接手渡し/回覧板と一緒に
5. 病後の高齢者へ
使える場面:最近体調を崩されたり、入院されていた方への気遣いを込めたお便り
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
その後、お加減はいかがでしょうか。 暑さで体調を崩しやすい時期ですので、どうぞ無理をなさらずゆっくりお過ごしください。
一日も早い完全回復をお祈りしております。
ひと言ポイント:体調を直接的に心配する表現は避け、温かい配慮を示しています。回復への願いが自然に込められています。
実務例:ハガキで郵送/お見舞い品と一緒に/家族経由で伝達
6. 配偶者の両親へ
使える場面:義父母への季節の挨拶として、家族の絆を深める機会に
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
連日の猛暑ですが、お父様、お母様にはお元気でお過ごしのことと存じます。 こちらは○○(配偶者の名前)も子供たちも元気にしております。
秋になりましたら、みんなでお伺いさせていただきます。 暑さに負けないよう、お体を大切になさってください。
ひと言ポイント:配偶者や子供の様子も含めることで、家族全体からの気遣いを表現。義理の関係も自然に深まります。
実務例:夫婦連名でハガキ郵送/帰省時の事前連絡として
7. 長く会えていない親戚へ
使える場面:コロナ禍や距離の関係で、長期間会えていない親戚への連絡として
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
長らくお会いできずにおりますが、お元気でいらっしゃいますでしょうか。 まだまだ厳しい暑さが続いておりますので、くれぐれもお体にお気をつけください。
落ち着きましたら、ぜひお会いできる日を楽しみにしております。
ひと言ポイント:会えない状況への理解を示しつつ、再会への希望を込めた表現。絆を保つ大切なきっかけになります。
実務例:ハガキで郵送/年賀状代わりの季節便りとして
8. 電話でのやり取りが困難な高齢者へ
使える場面:聴覚に不安がある方や、電話での会話が難しい方への文字でのコミュニケーション
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
毎日暑い日が続いていますね。 お体の調子はいかがですか。
暑さに負けず、お元気でお過ごしください。 またお手紙でお話しできるのを楽しみにしています。
ひと言ポイント:シンプルで分かりやすい文章構成で、読みやすさを重視。文字でのやり取りの価値を認める表現です。
実務例:大きめの文字でハガキ作成/家族が代読/拡大コピーして手渡し
9. 認知症の傾向がある方へ
使える場面:記憶に不安がある方にも安心して読んでいただけるよう配慮したお便り
文例:
○○さん、お元気ですか。 △△(あなたの名前)です。
とても暑い毎日ですね。 涼しいところで、ゆっくり過ごしてくださいね。
また会いに行きますね。
ひと言ポイント:短文で親しみやすく、送り主が分かりやすい構成にしています。安心感を与える温かい語りかけです。
実務例:写真付きハガキで郵送/家族が一緒に読む/何度も読み返せるよう手元に置く
10. お盆に会えなかった高齢家族へ
使える場面:お盆の帰省ができなかった場合のフォローアップとして
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
お盆にお会いできず申し訳ありませんでした。 暑さの厳しい毎日ですが、お元気でお過ごしでしょうか。
涼しくなったら必ずお伺いしますので、それまでお体を大切になさってください。
ひと言ポイント:会えなかったことへのお詫びと、必ず会いに行く約束を明確に表現。家族の絆を再確認できます。
実務例:お盆後すぐにハガキ郵送/電話での謝罪と合わせて
11. 毎年送っている90代の親族へ
使える場面:長年の習慣として、毎年季節の挨拶を交わしている高齢の親族に
文例:
今年も残暑お見舞い申し上げます。
90歳を超えてもお元気な○○さんを、いつも尊敬しております。 この暑さですので、どうぞご無理をなさらないでください。
長生きの秘訣をまた教えていただけるのを楽しみにしております。
ひと言ポイント:長寿への敬意を表し、相手の人生経験を尊重する表現を使用。毎年の恒例行事として大切にされます。
実務例:同じ時期に毎年ハガキ郵送/家族総出で署名
12. 夫婦連名で送る場合
使える場面:夫婦揃って季節の挨拶を送る際の、両名の気持ちを込めた文面
文例:
残暑お見舞い申し上げます。
厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 私ども夫婦も、おかげさまで元気に過ごしております。
季節の変わり目ですので、どうぞお体を大切になさってください。
△△(夫)・○○(妻)より
ひと言ポイント:夫婦としての連帯感を示し、両方からの気遣いが伝わる文面。受け取る側も家族ぐるみの温かさを感じられます。
実務例:夫婦で署名したハガキ郵送/年賀状の住所録を活用
よくある質問
Q1:9月でも残暑見舞いを送っていいの?
残暑見舞いは立秋(8月7日頃)から8月末までが一般的ですが、9月上旬でも「処暑の候」「初秋の候」として送れます。
ただし、9月中旬以降は秋の挨拶状に切り替えることをおすすめします。
Q2:お見舞いの言葉が重くなりすぎない?
「残暑お見舞い」は季節の挨拶であり、病気見舞いとは異なります。
相手が体調を崩されていない場合でも、暑さへの気遣いとして自然に使える表現です。
Q3:縦書き・横書きどちらがいい?
高齢者の方には伝統的な縦書きが好まれる傾向があります。
ただし、手書きが難しい場合は、読みやすい横書きでも問題ありません。
文字の大きさと読みやすさを重視しましょう。
Q4:絵ハガキは失礼にならない?
季節感のある絵ハガキは、むしろ喜ばれることが多いです。
朝顔や風鈴など、涼しさを感じさせる絵柄を選ぶと良いでしょう。
Q5:敬老の日との違いは?
残暑見舞いは8月の暑さを気遣う季節の挨拶、敬老の日(9月第3月曜)は長寿をお祝いする行事です。
どちらも大切な機会として、それぞれの趣旨に合わせて使い分けましょう。
Q6:高齢者にふさわしいハガキのデザインは?
文字が読みやすい明るい背景色で、季節感のある上品なデザインが適しています。
過度に派手な色使いは避け、落ち着いた印象のものを選びましょう。
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まとめ
高齢者への残暑見舞いで大切なのは、体調を気遣う「優しい言葉」です。
相手の状況や関係性に応じて文例を参考にしながら、あなたらしい温かい気持ちを込めてみてください。
ハガキ1枚でも、あなたの声がきっと相手に届く時期です。
今から書いてみましょう。
きっと受け取った方の心に、涼しい風のような安らぎを運んでくれるはずです。
〈地域の慣習や相手との関係性をご確認のうえご活用ください〉